どんなスパイス?フェンネルはセリ科ウイキョウ属の多年草で、アネトールを主成分とする独特の芳香とかすかな甘味が特徴です。スパイスとして使用されるのは果実の部分です。葉と茎もハーブとして利用されます。古代ギリシャやエジプト時代から料理や薬用として栽培されてきたハーブです。特にスイートフェンネルは古代エジプトでは、すでに栽培が行われていたといいます。またローマ人にはとりわけ珍重されていました。詩人のワーズワースによれば「古代ローマの剣闘士は、荒々しい喧嘩好きが集まっており、彼らはフェンネルの効果を期待して食事にそれを混ぜていた。そして勝者は、フェンネルの花冠をつけていた」と言います。日本にも平安時代に渡来しました。

精油はリキュールの香料やマッサージオイルとして、花・茎・根茎は食材として利用されます。また、種子(成熟果実)は消化不良・腰痛・便秘・不眠などに効果があることで知られ、料理に使われるほか、ハーブティーにして飲まれています。フェンネルの和名は「ウイキョウ」で漢方薬として知られ、中国では感じで「茴香」と書きます。これは腐りかけた魚肉に混ぜるとよい香りが回復することから、「回香」と呼ばれたことに由来するそうです。香味料としては生葉もシーズも魚にあうハーブとして有名です。若い葉はサラダなどに使います。インド料理では食後にカラフルな色のシロップでコーティングした種が出ますが、口中をさわやかにしてくれます。
学名:Cinnamomum verum
原産国:セイロン
*原産国は季節等により予告なく変更になる場合がございます
使用部位:樹皮
学術データ
古くから人々の生活に結びついていて、薬としても長い歴史があります。エジプト時代のパピルスにも、その薬効に関する記述が残っています。果実(シーズ)の精油成分はアネトールで、芳香性健胃、駆風、去痰薬、矯味、矯臭薬にされます。催乳の効果があるといわれています。中でも薬効にすぐれる種子は、利尿作用と発汗作用があり、肥満の原因になる皮下脂肪中の老廃物を排出して、体の中をすっきりさせます。食欲を抑える働きもあり、古代ローマの女性たちはダイエットの特効薬として愛用したそうです。

またフェンネルのお茶を飲むと咳止めの効果を得ることができます。ドイツでは、小児科病院でよく処方されているハーブでもあります。またフェンネルのエッセンシャル・オイルも強い薬効があり、はちみつと一緒にお湯に溶かしたりしたものは、咳止めの薬として使われてきました。
*参考図書
「The Green Pharmacy James A Duke著」
「The complete New Herbal Richard Mabey著」
「Botanical Safety Handbook アメリカハーブ製品協会(AHPA)編集」
「メディカルハーブの辞典 林真一郎編集」
「ハーブの安全性ガイド Chris D. Meletis著」
「薬用ハーブの機能研究 CMPジャパン(株)編集」
「Fifty Plants that changed the course of History Bill Laws著」
どんな料理にオススメ?魚の生臭さを消すために用いられます。他にも豚肉、ピクルス、パン、ケーキ、各種ソース類などに使われています。葉や茎は煮込み料理やサラダに。また、そのまま素揚げにして塩で食べてもおつなものです。中国では五香粉の原料として用いられています。種はクッキーに入れたりして使います。またカレーの香辛料としても有名。また口臭防止になるので、食後にフェンネルティを飲むと良いですね。甘くてスパイシーな香りがエスニックなイメージを起こさせる独特な香りです。
ちょっと香りに癖がありますが、人によってはこの香りはかなり病み付きになるかもしれません。
ご注意
*原料の供給状況によって原産地は異なることがあります。
*高温多湿を避け、冷暗所にて密封保存してください。