どんなハーブ?
鮮やかなワインレッドの色とさわやかな酸味が女性に人気のハーブです。エジプトでは、ピラミッド作りの職人達が、休憩の時にハイビスカスのお茶を飲んでいたといわれています。
このころは「神に捧げる花」と呼ばれ、ピラミッドを積み上げた労働者たちも、その天然の酸味によって、喉の渇きをいやし、ガーリックと同様、体力維持のためにも活用したと言われています。またナイル河畔では、種子を炒めて食べたり、葉を食用にしたり、茎は繊維に利用されていました。
またジャマイカでは現在でも「テ・デ・ハマイカ」叉は「アグア・デ・ハマイカ」という名で暑さをしのぐためのお茶として、また、ウエルカムドリンクとしても親しまれています。
ヨーロッパでは風邪の引き始めや病中病後の体力を回復させたい時の飲みものとしても知られ、飲み物の天然着色料として重宝され、ジュースやリキュールなどに利用されています。
日本では、東京オリンピックのマラソンで優勝したエチオピアのアベベ選手やドイツの陸上選手が愛飲していたことから、疲れをとる飲み物として有名になりました。
英文名として「ローゼル」という名前でも知られています。由来は、熱帯アフリカの乾燥地で広く栽培されている野菜の一種ジースマ(ハイビスカス)が、北アフリカ原産の野菜であり、この酸味のある葉が、炊き込みご飯の具やスープ(ソース)に使用されています。 このジースマをトンブクトゥ地方のソンガイ語でローゼルと呼ばれていたことが語源です。
学名:Hibiscus sabdariffa
原産国:エジプト
*原産国は季節等により予告なく変更になる場合がございます
使用部位:花部(がく)
学術データ
ハイビスカスといえばクエン酸です。梅干しなどにも大量に含まれていますが、体内に入ると、筋肉に溜まった疲労物質である「乳酸」の排出にとても効果があるとされます。
ビタミンCの含有量はローズヒップに及ばないものの、天然のクエン酸やリンゴ酸、豊富なミネラル類が新陳代謝を助けるため、スポーツや仕事による肉体疲労の回復に利用されてきました。東京オリンピックでマラソンのアベベ選手がこのお茶を飲んで金メダルを手にしたことから、天然のスポーツドリンクの王様と呼ばれたそうです。
ハーブティーに用いられるのは食料のローゼル種の花びらが落ちたあとに、花を保護する蕚(がく)片が膨らんで果実状になったものです。ちなみに南国で見かける真っ赤なハイビスカスは観賞用のもので、食料ローゼル種とは異なります。ご注意くださいね。
食用のローゼル種の花は観賞用種と比べると小さく、淡いピンク色のものや白色のなど、さまざまな色があります。中央の蕚部はいずれも濃い赤色です。
また伝承的な植物療法としては古くから、新陳代謝を促進し、肌荒れの改善や健康な皮膚を保つためや夏バテ予防、回復に最適なハーブとして利用されています。 食欲を増進させる効果も期待でき、体のだるさを感じている人や疲労感が強い人でも元気が出ることから、夏バテ対策のハーブとして使うこともできます。
*参考図書
「グリーンファーマシー James A Duke著」
「メディカルハーブ安全性ハンドブック アメリカハーブ製品協会編集」
「メディカルハーブの辞典 林真一郎編集」
「ハーブの安全性ガイド Chris D. Meletis著」
「薬用ハーブの機能研究 CMPジャパン(株)編集」
どんな味??
ハイビスカスティーは酸味のあるルビー色のティーで、のどの渇きを癒す最適な飲料となります。ローズヒップと同重量を基本にブレンドすると美味です。ブレンドとしてはローズヒップとの組み合わせが有名です。ローズヒップはビタミンが良質な点とハイビスカスの酸味を和らげて飲みやすくする点から、味・栄養両方の観点から良い組み合わせです。またハイビスカスは色と味に関してとても影響力が強いハーブです。そのため何をやっても赤くて酸っぱいというのは避けられません。酸っぱいのが苦手な方はハイビスカスを避けるか、蜂蜜やステビアなどの甘味料で甘みを加えてください。
こんな使い方もありますよ!
ハイビスカスティーは冷やして飲んだり、オレンジジュースで割って飲んだり、サングリアの赤ワインの変わりに使って、レモンやオレンジなどのフルーツを漬け込むと見た目も涼しく、美味しく召し上がれます。ハーブティを出した後のこった花弁は、ご飯を炊くときに入れておくと、きれいなピンク色のハイビスカスライスが出来上がりますよ。一度お試しあれ!
さらに浸出液は肌を中性に保つ収斂性ローションになります。スプレーボトルなどに入れて、化粧水の代わりや、お風呂上りに髪にスプレーすると自然のリンス代わりに使えますよ。ぜひお試しください。髪がギシギシしません。(店長の感想です)
さらに眼精疲労の予防にもオススメ。パソコンを使う機会が多いなど目の疲れを感じている人はぜひ試してみてはいかが?冷房による身体の冷えが気になる場合は、少量のジンジャーやスパイスなどとブレンドするのがオススメですよ。お酒を飲みすぎた後や翌朝にもオススメです。
*これらの使い方は個人的感想です。ぜひみなさんもいろいろお試しください。